私は自分の体調を知るために、気分記録を始めました。
双極性障害には気分の波があり、「今日は大丈夫」と思って無理をした翌日に寝込んでしまうこともあれば、季節の変わり目に調子を崩すこともあります。そうした傾向を自分なりに把握できれば、少しでも楽に暮らせるのではないかと思ったのがきっかけです。

おあです。社会福祉士・精神保健福祉士、双極性障害の当事者として活動しているよ。【自己紹介】
記録の方法
私の場合は、スプレッドシートを使って気分や体調をまとめています。
記録する項目は、次のようなものです。
- 気分レベル
- 睡眠時間
- エネルギーレベル
- 食欲
- 仕事や勉強のタスク
- 運動
- ストレスレベル
- 瞑想時間
- 集中力レベル
一見たくさんありますが、数字1〜5でサッと入力するだけです。細かく記録するというよりは「その日の自分を振り返るメモ」のような感覚で続けています。
記録してよかったこと
気分記録を続けてみて、一番大きかったのは 自分の体調の波や特徴が見えてきたこと です。
- 季節の変わり目に体調が崩れやすい
- 無理をすると、2〜3日後に反動で調子が悪くなる
- 週の終わり(金曜日)は調子が落ちやすい
こうしたパターンを知ることで、「気分の波に振り回される」のではなく「この時期は崩れやすいから休む日を増やそう」と対策が取れるようになりました。
また、診察のときに主治医に説明するのにも役立ちます。感覚的に「調子が悪いです」と伝えるよりも、「先週は3日続けて睡眠が短くて、気分も落ちていました」と具体的に話せるので、治療にもつながりやすいと感じています。
記録で失敗したこと
一方で、失敗したこともあります。
「毎日絶対に記録しなければ」と思い込み、逆に記録すること自体が憂鬱になってしまったのです。
今は「抜けてもいい」「書ける日に書けばいい」と、ゆるい気持ちで続けるようにしています。完璧にやろうとすると続かなくなるので、気分記録は「できる範囲で続ければいい」と思えるようになってから、むしろ長く続けられるようになりました。
気分記録を続けるコツ
私が気分記録を続けるうえで大切にしているのは次のことです。
- 完璧を目指さない
- 無理な日は書かなくてもいい
- 記録そのものが目的ではなく、自分を知るためのツールと考える
「続けること」よりも「自分の特徴を知ること」が大事。そう考えると気持ちがとても楽になります。
まとめ
病気とうまく付き合うには、自分の特徴を知ることが大切です。
気分記録はそのための手助けになります。
最初はうまくできなくても大丈夫。毎日できなくてもいいし、項目を減らしてもいい。大切なのは「気分の波を客観的に見る」ことです。
私自身、気分記録を続けていく中で「季節の変わり目に体調を崩しやすい」「無理をすると後で反動が来る」という自分のパターンに気づくことができました。そうした気づきがあるだけで、次にどう過ごせばいいかを考えやすくなります。
気分記録は、病気と戦うためではなく「病気と一緒に生きるための工夫」のひとつ。自分を知るツールとして、無理のない範囲で取り入れてみてほしいです。
