私は双極性障害になってから、自分で人との間に「壁」を作るようになりました。
「自分は普通の人とは違う」「人と関われば傷つくだけだ」と思い込み、人と距離を取るようになったのです。壁を作れば安心できるはずだと思っていましたが、実際にはその行為自体が自分を苦しめていました。

おあです。社会福祉士・精神保健福祉士、双極性障害の当事者として活動しているよ。【自己紹介】
壁を作っていた頃
当時の私は、常に「人と比べて自分は劣っている」と思っていました。友人や家族と接しても、心の中では「どうせ理解されない」「病気になったことで自分は違う世界の人間になったのだ」と決めつけていました。
その結果、自分から人との距離を作り、孤立してしまいました。一人で抱え込むことが増え、苦しさや孤独感がさらに強まるばかりでした。
変化のきっかけ
そんな私が変わるきっかけになったのは、仲の良い友人に勇気を出して相談してみたことです。
自分の気持ちを言葉にすることで、悩みを客観的に見られるようになりました。友人のアドバイスや「大丈夫だよ」という言葉が、心を軽くしてくれたのです。
また、「人と比べることをやめよう」と意識したことで、余計な壁を作らずにいられるようになりました。比べるのではなく「自分は自分」でいいと思えた瞬間から、人との関わり方も少しずつ楽になっていきました。
今意識していること
私は病気のことをすべての人に話すわけではありません。話すのは、信頼できる仲の良い友人だけです。
そして、自分が自然体でいられる人、心から楽しいと思える人、学びを得られる人と付き合うようにしています。
逆に、自分にとって負担になる人や悪い影響を受ける人とは、無理に関わらないようにしています。人間関係は数ではなく質。自分にとって大切な人を大事にするように意識しています。
気づいたこと
私は長い間、「壁を作れば傷つかない」と思っていました。でも実際には、壁を作ることは自分を守るどころか、孤独と苦しさを深めるだけでした。
大切なのは、壁を取り払って「ありのままの自分」で人と接すること。そうすることで、自分も楽になり、相手にとっても自然な関係を築けるのだと思います。
まとめ
双極性障害を抱えていると、人との関係に悩むことが多くありました。私自身、自分で壁を作って孤立し、苦しい思いをしてきました。でも、比較をやめて信頼できる友人にありのままの自分を見せられるようになったとき、人間関係は大きく変わりました。
読者の方へ伝えたいのは、「壁を作らなくても大丈夫」ということです。ありのままの自分で関われる人、自然体でいられる人を大切にすれば、それで十分です。人間関係は数ではなく質。無理せず、自分らしくいられるつながりを育んでいきましょう。

