私はこれまで、何度も「もう無理だ」と思ったことがあります。
未来に絶望し、希望が持てず、健康だった頃の自分とは全く違う人間になってしまったと感じた瞬間。生きている感覚がなくなり、ただただ自分を責め続けてしまったこともありました。
そんなとき、どう乗り越えてきたのか。今日は、私が実際に体験した「危機」と、そこから学んだことについて書いてみたいと思います。

おあです。社会福祉士・精神保健福祉士、双極性障害の当事者として活動しているよ。【自己紹介】
危機の中で感じたこと
危機のときの私は、まるで真っ暗闇にいるような感覚でした。
「何もできない」「自分はダメだ」「未来なんてない」――頭の中はそんな言葉ばかり。自分を信じてあげられず、自己否定のループに陥っていました。
動けなくなり、生活のすべてが止まったように感じたのを今でも覚えています。
支えてくれた存在
そんな中で私を救ってくれたのは、主治医・家族・友人でした。
- 主治医は薬を処方するだけでなく、「その考え方は症状による歪みだよ」と気づかせてくれました。その一言で心が少し楽になったのです。
- 家族は何もできない私を生活面で支え、安心できる環境をつくってくれました。
- 友人は「あなたはあなたのままでいい」と言ってくれ、心の支えになりました。
今振り返ると、みんながいなければ今の私はいなかったと強く思います。
自分が工夫したこと
支えてもらうだけでなく、自分でも工夫してきました。
- 診察では、浮かんでいる考えや生活の状況、体調を簡潔にまとめて伝えるようにしました。
- 家族には「助けてほしい」と素直に言えるようにしました。
- 病気になったことを悔やんでもどうにもならないと気づき、「今できることを少しずつやろう」と思うようにしました。
体調の波への対応
以前は「体調の波をコントロールしなきゃ」と必死でした。でもその考え方は、自分を余計に苦しめてしまいました。
今は「体調が悪くなったら、こう対処する」とあらかじめ決めておくようにしています。たとえば、疲れたら予定を減らす、寝込む日をあらかじめ予定に組み込むなど。波に逆らうのではなく、波に合わせて工夫するほうが心がずっと楽になりました。
気づいたこと・伝えたいこと
正直に言うと、私は人生を終わらせようと考えたこともあります。
でも今は「生きていてよかった」と心から思えます。
危機のときに大切なのは、
- 自分を責めすぎないこと
- 助けを求めること
- 今できる小さなことを一つずつやること
だと思います。
まとめ
双極性障害の中で訪れる危機は、とても苦しいものです。私も何度も「もう無理だ」と思いました。でも、支えてくれる人や小さな工夫に助けられながら、少しずつ抜け出してきました。
無理して希望を持とうとしなくても大丈夫です。時間と工夫が、少しずつ心を軽くしてくれます。
そして私は今、「生きていて良かった」と思えています。

