親しい人に病気のことを打ち明けたとき、「甘えているだけじゃないか」と言われたことがありました。とても悲しく、受け入れてもらえない孤独感に押しつぶされそうになりました。
当時は「病気を理解してもらわなければ」と強く思っていました。けれど今振り返ると、病気そのものを無理に理解してもらう必要はなかったのかもしれません。むしろ「体調が悪いときは予定を変更するかもしれない」といった具体的なことを伝えるほうが大事だったのだと思います。

おあです。社会福祉士・精神保健福祉士、双極性障害の当事者として活動しているよ。【自己紹介】
病気を理解してもらえなかった経験
打ち明けても受け止めてもらえないと、「自分は間違っているのか」「やっぱり弱いだけなんだ」と責めてしまいました。ですが、そのとき気づけなかったのは「病気を理解してもらうこと」と「自分の関係を守ること」は別のことだということです。
今になって思うのは、全員に理解してもらう必要はないということ。病気そのものを説明して納得してもらうより、「体調に波があるからドタキャンしてしまうかもしれない」など、生活に関わる部分を伝えられれば十分でした。
工夫していること
その経験から、私は人間関係でいくつかの工夫をするようになりました。
- 体調が悪いときは無理をして会わない
- 正直に「今日は体調が悪い」と伝える
- あらかじめ「体調が崩れるかもしれない」と話しておく
こうした工夫をすることで、「期待に応えなければ」と追い詰められなくなり、人との関わりが少し楽になりました。
救われた言葉
ある友人に「どんな病気にかかってもおあはおあ。体調を優先してね」と言われたことがあります。
その言葉を聞いたとき、涙が出るくらい救われました。病気の有無に関わらず「私自身」を見てくれる人がいる。それだけで気持ちがとても軽くなりました。
「病気になっても自分の魅力は変わらない」と思えるようになったのは、この経験のおかげです。
気づいたこと
病気を理解してもらうこと自体がゴールではありませんでした。大切なのは「正直な自分でいられるかどうか」。
病気になったことで離れていく縁もありましたが、それは本当に大切なつながりではなかったのだと思います。逆に、残ってくれた人や支えてくれる人との関係は、病気を経てさらに深まったと感じています。
まとめ
人間関係で一番大切なのは「理解してもらうこと」ではなく、「自分を大切にできる関わり」だと思います。
本当に大切な人は、「病気があってもあなたはあなた」と言ってくれる人です。自分に正直でいられる相手とのつながりを大切にすることで、安心して暮らせる関係が残っていきます。
無理に理解を求めなくても大丈夫。あなたを大切に思ってくれる人は、必ずそばに残ってくれるはずです。
