双極性障害になってから、私は無理ができなくなりました。休職や転職も経験しましたし、仕事やお金との付き合い方を考え直さざるを得ませんでした。躁のときは気持ちが大きくなり、高額な商品を勢いで買ってしまうこともありました。逆にうつのときは、ほとんどお金を使わなくなります。こうした波に振り回され、後悔して体調を崩すこともありました。
そんな経験を通して、私は「仕事もお金も無理をしない工夫」と「一人で抱え込まないこと」の大切さに気づきました。

おあです。社会福祉士・精神保健福祉士、双極性障害の当事者として活動しているよ。【自己紹介】
仕事との付き合い方
病気になる前は「全力で頑張ること」が当たり前でしたが、今は違います。
私が意識しているのは、睡眠を最優先にすること。疲れを翌日に持ち越さないように、しっかり眠ることを大切にしています。仕事の予定を立てるときも、まず睡眠時間を確保してから組み立てるようにしました。
また、できるだけ就業時間内に仕事を終えることを目標にしています。残業は必要なときだけ、週の最終日にまとめるなど自分なりのルールを作りました。
一番大きな気づきは、3割くらい余力を残す働き方の方が長く続けやすいということです。全力を出し切ると、そのあとに必ず反動が来ます。余力を残すことは「怠ける」ことではなく、自分を守るための大事な工夫だと思っています。
お金との付き合い方
お金についても工夫が必要でした。
躁のときは勢いでPCや周辺機器など高額商品を買ってしまうことがありました。躁が落ち着いたあとに請求書を見て、「なんで買ってしまったんだろう」と激しく後悔し、そのストレスで体調を崩すこともありました。
対策として、クレジットカードや通帳を家族に預けるようにしました。財布にはあらかじめ決めた現金だけを入れ、それ以上は使えないように工夫しています。
さらに、お金を使ったら必ず家計簿に記入するルールを作りました。記録するというワンクッションを入れるだけで、衝動買いのハードルが少し高くなります。
うつのときは逆にお金をほとんど使いません。この差の大きさも、自分の体調のサインとして意識するようになりました。
支えと気づき
仕事やお金の問題は、一人で抱え込むととても苦しくなります。私は主治医や家族に相談しながら工夫を続けてきました。
その中で気づいたのは、仕事もお金も「完璧」ではなく「続けられる形」を見つけることが大事だということです。全力を出すよりも余力を残す、お金を完全に管理しようとするよりもルールで工夫する。その方が結果的に安定して暮らせるようになりました。
まとめ
双極性障害とともに働いたり暮らしたりする中で学んだのは、仕事もお金も一人で抱え込まないことでした。
- 睡眠を最優先にする
- 仕事は余力を残して続ける
- お金はルールを作って工夫する
- 相談できる人に頼る
こうした工夫を積み重ねることで、以前より楽に過ごせるようになりました。
もし同じように悩んでいる方がいたら、無理をせず、信頼できる人と相談しながら工夫を見つけていってほしいです。

